束の変化を与える(又は導体が磁束を切るともいう。)と起電圧力発生することを電磁誘導といい、誘導される起電力を誘導起電力、流れる電流を誘導電流という。
2・4・2 誘導起電力の方向(レンツの法則)
誘導起電力の方向はどうかといえば、これについて、1834年ドイツのレンツが次のように論文を発表し、これをレンツの法則といっている。
即ち「誘導起電力の方向は磁束が減るときにはこれを増やし、増えるときにはこれを減らすような電流を流す方向に起電力を生ずる」ということで、後述する誘導起電力の式に(-)の符号がつく。
2・4・3 誘導起電力の大きさ(ファラデーの法則)
上記の電磁誘導現象を最初に発見したのは1831年イギリスのファラデーであった。これによれば誘導起電力の大きさは「磁束ΦがΔt秒間にΔΦ〔Wb〕だけ(注;Δは微小を意味する。)変化する速さ、即ち
と磁束が切るコイルの巻数Nとの積に等しい」ということである。
式で表せば
のようになる。これを、ファラデーの法則という。
しかし、その後1845年ドイツのノイマンは上式とレンツの法則とを結びつけて次のように表した。
(注:起電力の大きさにeの小文字を用いたのは変化する起電力を意味する。)
上記の説明では、図2・14(a)の場合に相当するが、図2・14(b)のように導体が磁束を切る速さは上記同様に
の割合であるから、誘導起電力の大きさは
(2・9)式と同様で
となる。
(例題)100回巻きのコイルのコイル辺が0.1秒間に0.05〔Wb〕の磁束を切ったときに発生する誘導起電力eの大きさは何〔V〕か。
〔応用〕電磁誘導の原理を応用したものには、発電機変圧器等がある。
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